特別な力を授かった奴隷が主人公の『ケントゥリア』が面白い

 昨日、ジャンプラの新連載で『ケントゥリア』というものがあった。今から何が面白いかってレビューを書いていくわけだけども、ぶっちゃけレビューに興味を持った時点で本編を見て欲しい。少しでも惹かれるものがあったら、きっと好きになるはず。

[1話]ケントゥリア – 暗森透 | 少年ジャンプ+ (shonenjumpplus.com)

以降はネタバレ注意

 海賊や奴隷が居るような時代と舞台。鍛冶屋の奴隷として扱われていたユリアンは、飼い主から殺されそうになり逃げだす。けれども船に忍び込むも見つかってしまう。

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見つかってしまうユリアン
出典:[1話]ケントゥリア – 暗森透 _ 少年ジャンプ+

 船長からは殺して海に捨ててしまえと非常な発言も出る。それも当然で、彼らからしたら奴隷は奴隷であって、自分たち人間とは異なる家畜同然もしくは家畜以下の存在なのである。しかし奴隷たちが庇い、密航者として処分はされず、奴隷として迎えられることになる。

 ユリアンは他の奴隷とともに船で働き、以前の生活よりはいくらかマシな環境で日々を過ごしていく。奴隷の中でも妊婦のミラは特にユリアンを気に掛け、互いに心を許しあう。

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ユリアンを庇うミラ
出典:[1話]ケントゥリア – 暗森透 _ 少年ジャンプ+

 しかし束の間の幸せもそう長くは続かない。船が目指していたアロード海域は曰く付きの呪われた海域だった。生贄を欲する怪物が出るとの噂もあり、何隻も沈没しているという。それまでは問題なかったのだが、アロード海域に入るなり海が荒れ始めてしまう。

 このままでは船が沈む。そう判断した船長はある決断をする。

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本心を語る船長
出典:[1話]ケントゥリア – 暗森透 _ 少年ジャンプ+

 どうして船に大勢の奴隷を載せているのか。なぜわざわざ奴隷としては使い勝手の悪い老人や妊婦まで迎え入れるのか。船長は最初から奴隷を労力としては期待していなかった。彼らではなく、事故で手に入る保険金こそが欲しかったのである。

 次々と奴隷は殺されてしまい、ユリアンとミラ以外の奴隷は全員死んでしまう。どこにも逃げ場のない状況の中、ある異変が起きる。噂で伝え聞いていた怪物が現れ、二人に問う。

「海の…祝福を欲するか?」

 大量の魂を捧げ、真の愛を失う。その条件を満たせば怪物が祝福を与えるという。奴隷たちの命が既に一つめの条件を満たしており、ユリアンかミラのどちらかが命を捧げれば残された者に力を授ける。怪物はそう説明し、ユリアンは自らの命を捧げる決意をする。

 しかしユリアンの悲しげな笑みを見たミラは自ら腹を裂く。そして無理やり産んだ子供にディアナと名付け、ユリアンに託すとそのまま海へと身を沈める。望まずして怪物からの祝福を与えられたユリアンは、ミラの命にも意味があったことを証明すべく、意思を告げる。

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怪物に願いを伝えるユリアン

 怪物が与えた祝福とは、殺された奴隷たち百人分の力だった。超人ともいえる力を手にしたユリアンは拳を振るい、武器を持つ船員たちを圧倒していく。あっという間に残すは船長だけとなり、船長は命乞いをする。しかし今更命乞いが通じるわけもなく――

WS000004 特別な力を授かった奴隷が主人公の『ケントゥリア』が面白い
船長にとどめをさすユリアン
出典:[1話]ケントゥリア – 暗森透 _ 少年ジャンプ+

 奴隷たちの死を自身の力へと変え、ユリアンは共に過ごした者たちに代わり復讐を終える。その手に残された何よりも大切で、価値のあるものを得たユリアンは、ボートで陸へと向かう……。

 レビューっつうか説明じゃねーか! という気もするけど、なんかもう最初から最後まで面白くて「面白いです! 参考になりましたか?」って一行で終わる感想になりそうだったのよ。だから要所ではしょりつつ面白いぞ、と伝える方向で書いてみた。

 少しでも興味を持った人はぜひ読んで欲しい。今すぐに。

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