『バニーガーデン』体験日記#9バニーガーデンからノゾムキミノミライへと

前回の体験日記はこちらから。

 花奈ちゃんと個室で二人きり。いつもならもっと楽しめるのに、今日はどうも緊張して仕方なかった。会話もキレが悪くて、どこか花奈ちゃんも心配そうな面持ちで俺を見てくる。

 少し退屈そうにスマホを眺めていた花奈ちゃんが首を傾げた。どうやらスマホに不具合が起こっているみたいで、ホーム画面の写真を変えようと思っているらしい。「杯人くんはホーム画面、どんなのにしてる?」そう尋ねる花奈ちゃんに俺は当たり障りのない返事をしていた。

 機能の確認を終えてスマホを返そうとしたとき、指が触れて検索画面に切り替わった。

『片思い 気持ち 伝え方』

 検索窓には、確かにそう書かれている。

 ねえ、もしかしてそれって。喉まで出かかった言葉。急に怖くなって、声に出すことはできなかった。花奈ちゃんは顔を赤くしたまま視線を逸らして、手のひらで顔を仰いでいる。

 そうだ、今日こそは花奈ちゃんにこの気持ちを伝えるんだ。

 いつかのためにと調べておいたレストラン。花奈ちゃんと来れたら。花奈ちゃんだったら何を食べたがるか。君の好きなもので、君のことを心から喜ばせてあげたかったんだ。いつか出会う大切な人じゃなくて、花奈ちゃんと来る日のために、このレストランを選んだんだ。

 俺は自分が思っていた以上に情けない男だったみたいで、結局その日もたった一言が伝えられなかった。心の中では何度だって君に叫んでいるのに。好きだ。大好きだ。君のことが。でも君の顔を見ていると言えなくなる。毎週会っても、軽口を叩いても。声が出なかった。

だったら俺も今日はデリバリーを頼もうかな。そう言えたらよかったのに、何故だか口がうまく動いてくれなかった。「ははは。それってデリバリーしたいから俺を口実にしてるんでしょ」ごまかす言葉しか出てこなくて、花奈ちゃんの顔を見ることができない。

 俺は今の関係が、この距離感が好きなんだ。99.9%叶う恋だとしても、0.1%の失恋が手足を縛り付けて身動きが取れなくなる。怖かった。何もかも失ってから出会った彼女を、花奈ちゃんを失うかもしれない言葉が。このぬるま湯のような液体に浸っていたかった。

 ……3つめはウソだよね。世界一ってことは俺が家族以上に好き? そんなはずないよ。となると、あとは2択だよね。お腹が減ってるか、眠いか……うーん、どっちだろう。

 聞かないふりをした言葉。本当ははっきりと聞こえていた。でも今更否定する勇気もなくて、聞き返す度胸もなかった。そのまま関係も変わらず、ずるずると時間が過ぎて行った。

 花奈ちゃんがバニーガーデンを辞める。想像はしていたけど、考えないようにしていた。冗談だってことはすぐに分かったけど、こうしてうじうじ悩んでいる間に花奈ちゃんは他の仕事先を見つけるかもしれない。もしかしたら女優になってるかも。いや、誰か他の人を好きに――

 そんなの嫌だ。

 今日こそ言う。絶対に言う。花奈ちゃんに。

 声を掛けてくれたあの日から、ずっと君が好きだって。

 駄目だ。俺から言わなきゃいけないのに。待って。もう少しだけ。

 ごめん。もっと早く、俺の方から言えたらよかったのに。俺が悩んでいたせいで。花奈ちゃんに好かれているのは勘違いだと決めつけて、それでも君と一緒に楽しく過ごしたかったから……別人になったつもりで日常を満喫していた。まるで俺の中に、他の誰かがいるかのように。

 でもそれも卒業だ。俺を愛してくれた彼女のことを愛しているのだから。

 女優になるのは決してたやすいことではないけれど、花奈ちゃんなら絶対になれる。俺にできることといえば、彼女の笑顔を守り、ずっとそばにいてあげるくらいだ。花奈ちゃんが望む限り、いつまでも隣に立って、君の未来に寄り添っていこうと――そう思う。

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 少し懐かしい感じのするいいアドベンチャーだった。エロ目的で買ったのは間違いないけど、エロ要素もそれ以外の魅力も十分にあった。強いて言えばSteam版ではDLCでリアル寄りの凝った下着を充実させて欲しい。それとカメラの制限やらの撤廃と……。

 エロゲでいうところのロープライスみたいなものだからあまり望みすぎてもアレだけど、基盤がしっかりしているから作り込んで欲しい。地球防衛軍シリーズみたいに後々ボリュームアップして色々な要素が追加されて続編が続いていくのが理想ではある。

 ミニゲームへの切り替わり(特に手押し相撲)も急に「力強いよ」と言ってくるんじゃなくて、間に一言か二言枕詞を足すか、1回目は「実は力に自信があって……」で2回目以降は「練習したからまた勝負しよ」というふうに繰り返しても違和感のないセリフにして欲しい。

 ストーリーに絡む部分以外は会話そのものを省略するアマガミみたいなゲームならまだしも、会話のパターン自体をいくつも用意しているようなゲームだったら、会話のつながりというものをもっと重視して欲しかった。それかミニゲームもパート制に分けたらよかったのに。

 今は会話→会話→会話(+ミニゲーム)→アフターになってるから、どうしても最後の会話だけはミニゲームを無理やり詰め込んでる違和感がある。いっそのこと会話中の選択肢としてミニゲームを選択させれば、会話→ミニゲーム(ここで会話打ち切り)→会話となり違和感も減る。

 できればミニゲームの導入周りだけでも改善して欲しいなあと。Tゲームでのモーションももっと増やして欲しいとかチェキ中に会話して欲しいとか要望自体は割とたくさんあるけど、没入感を重視するならそこが一番重要。まあ現時点でも満足度は高いゲームだよ。

 体験日記はこれで終わるけど、まだまだゲームは続けるつもり。

P.S.

 好奇心で花奈ちゃんを振ったら割と胸が痛かった。泣き顔やめて。

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