その日も私はいつも通りバニーガーデンに行って、発情期を迎えたバニーと個室に向かったのね。そして花奈ちゃんの入浴シーンを妄想したりTゲームでずっこけた花奈ちゃんをガン見したり。まあ割と平常運転だったってわけ。お金も一瞬で飛ぶの。体感は秒速5センチメートル。
財布の中身が減っては増える乱気流の中、突如届いたお知らせ。
水着イベント開催
私の心に桜が咲いた。
前回の体験日記はこちらから。
カレンダーを見ると、7月15日と16日に見慣れぬ文字が並んでいる。『SWIM SUITE』の9文字。そう、スウィムスイテだ。世間一般では水着というらしい。どうでもいいけどスーツがSUITEなのは未だに納得できない。この発音については水に流せない。
もやもやした気持ちを抱えたまま、水着のことだけを考えながらウサギの園ことバニーガーデンへ。花奈ちゃんがほぼ告白同然の発言をして子供のような理由で泣いて個室で疑似足コキ写真みたいなものをひたすら撮ったりと色んな姿を楽しめているのに、頭の中は水着でおっぱい。
……なんか違う? いいや違わないね。おっぱいさ。
水着みずぎミズギMIZUGI……。
あっちってどこ? プール?
水着着る?
息子だよ!!!!!
帰らされた。
ああ、駄目だな私は。水着に脳と股間を支配されている。これじゃ変態じゃないか。いつの間にか花奈ちゃんが好きになって、花奈ちゃんの水着姿が見れるからって喜んでいるはずなのに、気付けば水着のことしか考えられなくなっている。そこに花奈ちゃんがいないと意味がないのに。
ごめんよ花奈ちゃん、今度来る時はいつも通りになるから……。
お詫びの品はパンツでいいよね?
プレゼントも渡して花奈ちゃんと知的生命体らしい会話もした。パンツに喜んでたから、きっと今日は家に帰るなりパンツを脱ぎ棄てて、一人ファッションショーでもするんじゃないかな。さて、今度来る時は水着デーか。よし、帰るぞ――と思ったら花奈ちゃんが服を引っ張ってきた。
馬鹿だなあ。バイバイするわけないだろ。
よし、プール行くぞ!
選ばれたのはカラオケでした。まあいいさ。褒められたし。
――さて、時は流れて7月15日。
そう、水着デーである。
ああ、ドキドキするなあ。今日はあの子もあの子もあのお客さん……も? もしかしてみんな水着? え、私も水着の方がいいかな。シティハンター公開記念にもっこり際立つブーメランパンツでも履くべき? いっそのことプロの威厳を見せつけるべくスクール水着で挑むとか……。
ええいままよ!
ブヒッ!?
おっほ……。
あ、ごめん花奈ちゃん。いつものシャンパンを頼むよ。
あ、ふーん……そっか。そんな感じかあ。花奈ちゃん、背中にゴミが付いてるよ。もうちょっとそのままでいてくれる。うん。とってあげる。だから動かないでね。ほら、下手に手がずれちゃって肌に触れちゃったら嫌でしょ。え、そうでもない? まあとにかくちょっとそのままでね。
……………………ふう。
あ、もう大丈夫だよ。え、ゴミ?
ゴミって……なに?
あれ? 私が作品を知らなくても衣装がかわいかったらコスプレAVを見がちだって話したっけ? まあいいや。好きなコスプレかあ……。ミニスカとかボディスーツみたいなのとか学生服とかナースとかOLとかバニーとか……あ、えっちだったら全部好きだよ!
え、どうしたの花奈ちゃん。ちょっと軽蔑してる? 違う? 個室でゲーム? なにするの? 今日はTゲーム……って、あのTゲームを水着姿で?! 息子も乗り気だ! イこう!
いっつも思うんだけど、Tゲーム前のこの表情と微妙な動きが凄く可愛くてえっち。これは静止画じゃ伝わらないと思うから、できれば買って確かめて欲しい。どうしてもっていうなら誰かの配信とかでもいいけどさ、本当にそれでいいの? 状況的には寝取られみたいなもんだよ。
ぶっちゃけこれは寝取らせ日記だからね。花奈ちゃんの魅力を本人に隠してこっそり伝えて、バニーガーデンに通う男を増やそうとしてるってわけ。バニーガーデンは商売繁盛で儲かるし、私は「ごめんね、杯ちん。許して……」ってベッドで泣く花奈ちゃんを見れるってわけ。
つうか既に杯人のものじゃねえか!
気持ちを切り替えて翌日。二日目の水着デーを堪能することに。残念ながらデザインは変わらず、これでもし個室に入れなかったら昨日の繰り返しでしかない罠。花奈ちゃんはどうやら占いを割とゲン担ぎ程度に見ているらしく、ラッキーアイテムについて語ってたんだけど……。
花奈ちゃん?!
ここからは私の仮定なんだけど、花奈ちゃんはラッキーアイテムが赤い下着だったから「今日は赤い下着にしよう!」って決意して、「あっ、でも今日は水着デーだ……だ、誰も分からないよね……」と思ったんじゃない? つまり昨日は水着で今日は下着姿なんじゃないの?
ね、ねえ花奈ちゃん。それってさ、もしかして……。
あ、甘えるって? 膝枕をしちゃってごろんと寝転がった花奈ちゃんのおっぱいがたゆんと揺れて、それに反応した息子が目覚めて体を起こしたところで「なんか当たってる……」ってちょっと恥ずかしそうに花奈ちゃんが体を起こして、「しょうがないにゃあ……」って――
え、もうそういう気分じゃなくなった? 「甘えたいモードじゃなくなった」ってなに。そんなボタン一つで切り替えるみたいに色んなモードがあるの? じゃあ今はどんなモードなのよ。
うん。
今すぐゴム買ってくるね。
えっ、待ってって? 大丈夫。秒速5センチメートルの速さで走るから。花奈ちゃんを待たせたりしないよ。なになに、なんで笑ってるの。もしかしてゴムいらなかった?
……そっか、うん。そうだよね。あはは。やだなあ花奈ちゃん。やっぱりなー。冗談だと思ったんだよ。だってバニーガーデンって紳士の集まるお店だもんね。いくら酔ってても花奈ちゃんがそんなこと言わないってことくらい、もちろん分かってるって。でもごめんね。
用事思い出したから帰るよ。
次回、『男と女の手押し相撲はいちご注意報!!』へと続く。
今日の豆知識
バニーガーデンは健全なゲーム
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